トルコで経験した猛吹雪
前回は「寒い」からラトビアの回想をした。
雪の中車を運転すると今度はトルコでの夜行バスを思い出した。人生で初めて経験する、あれは恐らくブリザードだった。と思ったが、ブリザードはもっとすごいもののようだ。猛吹雪に訂正する。
今般の雪により上司から外出を伴う営業活動禁止令が発せられたが、木曜日は解禁され水を得た魚のように外出した。営業の性かな、事務所に何日も居続けるとウズウズしてくる。
外出禁止令は解除されたものの、客先へ向かう道中、内陸に入ったところは天候が悪く、無数の雪がフロントガラスにぶつかり這い上がるように流れて行った。
トルコで経験したものはそんな生易しいものではなかった。
私は夜行バスに乗っていたのだか、それはブリザードが如く上からはドカ雪が猛烈な風に吹かれながら横殴りに降り続け、下からは積もった雪が舞い上がり、恐怖を感じるような白色の世界だった。
学生時代、トルコへ一人旅
話をその物語の初めに巻き戻そう。
大学生最後の休暇で本場のケバブを食べたく2月にトルコを一人旅した。スペイン留学中、飲みの終わりによく食べていた〆のケバブが大好きだったのだ。
イスタンブールで数日観光した後、スター・ウォーズの舞台にもなったカッパドキアに行った。貧乏旅行、いや、バックパッカーと格好つけて言おう、バックパッカーの私の移動手段はバスの一択である。イスタンブールから夜行バスでカッパドキアへ行き、2日間観光して、またイスタンブール行きの夜行バスに乗ることにしていた。
旅の途中で行ったカッパドキア
カッパドキアへ向かう道中から雪が積もっていた。
現地ツアーに申し込んで雪のカッパドキアを楽しんだ。厚手のダウンを着て行っていて本当に良かった。この時来ていたダウンはラトビアでも活躍した。




ホテルで同じく学生最後の旅行を楽しむバックパッカーと知り合い、帰りのバスが同じだったので2日目の夜、ご飯を一緒に食べて予約していたバス会社の事務所に行った。
帰りのバスが運休!?
バス会社の事務所に着くと職員が言う。
「今日は雪で運休だ。バスは出ない。」
なに。その日はホテル取ってないし困った。
どうすれば良いんだと聞くもどうしようもないの回答だった。
すると突然別のトルコ人が現れて言った。
「俺んとこはバスを出す。乗るか?」
その話、乗った。
今思えば怪しい人だったらどうしようって感じだが、会社のユニホームのような服を着ていたことと、カッパドキアで知り合った日本人と一緒だったのがどこか安心感をもたらしたのだろう。
早速バスターミナルまでの中継バスに乗ると他にも同い年くらいの日本人男性が1人と女性が3人、他に外国人がいた。日本人4人は友達同士らしく、男ハーレムだなと思った。笑 中継バスではあまり話をしなかった。
過酷な帰路となる
大型バスに乗り換えカッパドキアを後にした。
もの凄い雪だった。夜の知らぬ土地の吹雪。
大型バスに乗ってるとは言え不安感があった。
しばらくするとサービスエリアに停車した。
トルコ語で乗客にアナウンスする。何を言っているか全くわからない。英語での説明を求めると、どうやらこの先で車が横転して前に進めないため、サービスエリアで待機するとのことだった。
「出発するときは必ず言ってよ」と念を押してバスを出た。
私とホテルから一緒だった人、そして少しでも人が集まった方が情報取れるだろうと中継バスで一緒になった日本人4人に声を掛けて一緒にサービスエリアで待機することにした。
すると、その4人も卒業旅行でトルコとヨーロッパを旅行中とのことだった。男の子は1人旅、女の子3人は大学の同級生で、カッパドキアの現地ツアーで知り合ったとのことだった。ハーレム旅行ではなかった。
「トルコ会」の結成
さらに私以外はみんな同じ県に住み就職も地元で、さらになんとその県は私の就職先の本社がある県!最初は本社地区での勤務となるため、ラッキーなことに就職前から就職先の地の友達ができたのだ。「トルコ会」が結成された。
何時間くらいサービスエリアで待機しただろうか。数時間はいたと思うが、運転手に呼ばれてバスに戻った。運転再開である。
しかし、今度は乗っていたバスがエンジントラブルを起こしてまたしばらく停車する。今度はエンジンが切れたバスの中での待機。凍えるように寒かった。そんな中友達は普通に寝ていてスゲェなと思ったのを覚えている。
当初翌朝イスタンブールに到着するはずのバスが遅れに遅れて着いたのは確か夕方だった。みんなそれぞれの予定が吹雪とともに吹き飛んだので、一旦各々のホテルにチェックインした後合流してみんなでご飯を食べに行くことにした。
当時誰もイモトのWiFi的な海外で使えるWi-Fi持っていなかったのにどうやって合流できたのかは覚えていない。
〇。〇。〇。
話は変わるが新婚旅行で海外に行った際はWi-Fi借りて現地でスマホ使えて何も困らないことに寂しさもあった。仕事のメールまで見れたし。
〇。〇。〇。
そうしてみんなで飲んで更にトルコ会の絆は深まったのだ。


就職後もしょっちゅう飲みに行ったり遊びに出掛けたりと、トルコ会のおかげで就職先の地でスムーズな滑り出しをでき満喫できたことに大変感謝している。
結局その地は転勤で1年で去ることになったのだが。
吹雪、非日常の海外旅行中の予定外の出来事から、予定外の出会いがあり、素敵な友情を生んだ。
余談ではあるが、トルコには街中に猫がたくさんいた。猫好きの方は続きの写真もどうぞ。





