
妻から『今日遅くなる?』とLINE。
帰り時間を訊かれるとき、普段は「今日何時に帰ってくる?」とのテキストかスタンプなのに何か違和感を覚える。

家に帰るとリビングの椅子に座り神妙な面持ちで、
「お詫びしないといけないことがあります。」と。
なになに、なんだよ、と身構えるものの、
記事タイトル通り、4月に買い替えた車をこすったとのことだ。
なんだそんなことかよ、驚かせるなよ、怪我した怪我させたモノ壊したとかでなければ全然いいよ。(良くはない。)
「クルマより私の方がヘコんでます」と小ボケ挟んできたのはいただけないのだが。
クルマをこすった状況
どうヤッちゃったのか聞いてみると何だか色々分かってきた。
- 【心理】産休前の最終勤務を終えた高揚の中
- 【進路】車買い替えてから通らないようにしていたいつも違う狭い道を通って
- 【状況】歩行者との距離を取るため小回りとなり
- 【結果】左折時に助手席側後方をこすった
とのこと。傷はカスった程度でも、ゴリゴリに「いつもと違う」状態があり、そら何かあっても不思議でないわって感じだった。

事故の背景にある「いつもと違う」
私は以前輸出入貨物を扱う会社で働いていて、現場管理も業務の1つだった。
たまに物損やら誤出荷やらが発生し、原因究明・再発防止策をまとめないといけないのだが、必ずと言って良いほど事故の背景には「いつも違う何か」が存在する。
『ハインリッヒの法則』
現場でよく知られているのが『ハインリッヒの法則』だ。
1つの重大事故の背景には重大事故に至らない29の軽微の事故があり、その背景には300ものヒヤリハットが存在する、というものである。
(*ヒヤリハット:ヒヤっとした、ハッとした事故に至らなかったが危険な状態)
裏を返せば、ヒヤリハットを共有し、改善活動でヒヤリハットを未然に防ぐ取り組みをして下層の300を防ぐことで、上層の軽微な事故・重大な事故を起こさないと言うことだ。

日常に潜む「いつもと違う」
今回もいくつかの「いつもと違う」が重なり軽微な傷に繋がったわけだが、日常を見渡すと環境面や心身の状態面で以下のような色んな「いつもと違う」が潜み得る。
- 子どもの手に届くところに危険な物(刃物・薬・電池・熱い飲み物や食べ物など)を置いていた。
- キッチンへのベビーゲートのロックが外れたままになっていた。
- ベランダに荷物を仮置きして子どもの足場になっていた。
- 暑い中帽子を忘れたが「1日くらい良いか」と直射日光に晒された。
- 抱っこ紐やベビーカー、チャイルドシートのベルトが正しく装着されていなかった。
- 急いでいて気が焦っていた。
- 睡眠不足でイライラしていた、注意散漫になっていた。
などなど、子育て世帯の内容が中心になってしまったが、何も起こらないかも知れない小さな異常や「いつもと違う」状況の1つ1つでも、重なり合ったりすると大きな事故に発展するかもしれないのだ。
特にこの夏は参るほどの暑さで、「この夏、乗り切れる気がしない」ほどだ。それだけでも1つ軽微な異常を抱えた中での生活である。暑さで体調を崩したり寝不足になった際にはより注意を払わなければならない。とにかく体調管理が安全への第一歩だ。

「不安全は確かに存在する」
そんな話を書いていて思い出したのが、いつかどこかの企業の人が言っていた言葉がある。
「完全に安全な状態は存在しない。しかし、不安全な状態は確かに存在する。」という言葉だ。続けて、不安全な状態を排除することで安全に近付けると仰っていた。
確かに言われる通りで、"絶対安全"は確かに存在しないと感じた。特に予測不能な動きをする子どもを相手にしている時は、気を付けすぎても気を付けすぎることはない、と言えるくらいだ。
『安全第一』の意外なルーツ
重ねて、もう1つウンチクを垂れると、巷で『安全第一』の標語をよく目にすると思う。『安全第一』を最初に提唱し始めたとされるのが、ニュースで聞いた名前だと思うが、日本製鉄が買収を成功させた"USスチール"だ。
旧来は『生産第一、品質第二、安全第三』が一般的だったそうだが、同社が『安全第一、品質第二、生産第三』に切り替えた。安全第一でない環境で従業員が安心して働いて生産を上げられる訳がなく、また品質トラブルがあっても同様に生産を上げられる訳がなく、安全第一に切り替えられた。

安心安全に過ごせるように
クルマこすって傷心中の妻に「ハインリッヒの法則」や安全に関するウンチク垂れると傷口エグるかキレられるかのどちらかなのであまり深く掘り下げはしない。本人が一番反省している。
しかし、私自身、また読んでくださった皆様方ご自身や家族みんなが安心安全に過ごせるよう、我が家のクルマの傷を広げて「ハインリッヒの法則」並びに安全について書かせていただいた。
みなさんも、ご安全に!
*最近子どもよりイヤホンした大人の方が飛び出してくる印象です。くれぐれもご注意を。