出張でどこか行ったとき、どのように夜を過ごしたい?
出張先の拠点の人と飲みに行きたいですか?
Yes or No な聞き方をしておきながらアレだが、私はYesでもありNoでもある。と言うのも、出張先で1人散策する時間もいただきたいのだ。
出張者を受け入れる側の話
出張者の受け入れ
先に出張者を受け入れる側の話をしよう。
私はメーカー営業として本社ではなく営業拠点で勤務している。それなりの規模を持つ拠点で、営業だけでなく、色んな部署の人間が在籍している。また、大企業の拠点があったり展示会などのイベントが開かれることが多い街でもある。
そのせいかまぁよく出張者が来る。
- お偉いさんがお客様への表敬訪問で
- 他部署が営業とお客様へ同行訪問するため
- 展示会見学のついでに
- 社内ミーティングで
- 新入社員の営業研修で
などなど・・・
ありとあらゆる都合でやって来る。
ときには遊びに来ただけちゃうのって思うくらいに。
頻繁に開催される「懇親会」
ゲストが来ると大概「懇親会」と言う名の飲み会が開かれる。
出張者と交流できる良い機会、懇親しないといけないのだ。
社内に知り合いは多ければ多いに越したことはない。
たまに来る人と一晩、ならまだ良い。
しかし、あんたしょっちゅう来てますやんか、
いや、2泊で来てて2晩ともやんのかい、ってこともあるのだ。
「それいる?」「それもう内輪で適当にやっといてくんない?」と思うことがあるのが本音だ。
「懇親会」にかける世代間の思い
"私が在籍している支店で"という近視眼的視点で言うと、
- ベテラン組:
ゲストが来る=みんなで歓待しなくては! - 若手組:
ゲストが来る=アフター5は各自で、若しくは内輪で。
といった構図があるように感じる。
*ちなみに私はベテランと若手のちょうど間と思っているが、ベテラン組から「おまえはこっち側や」と呼び込まれている。
その象徴が先月研修の一環で1週間新入社員が来たときの話だ。
若手は「初日の歓迎会、最終日のお疲れ様会やれば十分。あとは自由に過ごしてよ。」と思う一方で、ベテラン勢は毎晩新入社員を連れ出そうとする。新入社員は気を遣って「ありがたいです!」と言うが本心は分からない。(「実はダルいっす」なんて言ったらメンタル強すぎる。)
出張する側の話
出張したときの私の思い
では、私が出張する側のときはどうか。
うーん、そうだな、飲み会はやっても内輪でやって1次会で解散。が望ましいかな。(わがままか。)
「あわよくば出張先の地にいる友人とご飯行きたい」
昔はそう思っていたが、それはもう叶わないものとして諦めた。「そもそも仕事で来ているのだから現地の人と飲みに行くべきもの」と思うようにしている。
でも、私は知らない街を1人で散歩するのがとっても好きなので、早めに解散して自由な時間も欲しいなとは思ってしまう。散歩を通じて知らない街の雰囲気を感じたり、知らない街のお店の扉を勇気を出して開きたいのだ。
出張感を高めてくれた「体験」
そんな欲望を体現できたのが淡路島と仙台での出張だった。
昨年1人で淡路島に出張した時、あれは最高だった。
お客様からウチが入れた製品の調子が悪いから見に来て欲しいと言われて行ったのだが、日帰りは無理のため前泊した。
淡路島に拠点はない。ゆえに飲み会に誘われ得ない。
寒波が押し寄せてた日で猛烈に寒かったが、凍えながらちょろちょろ散歩して、GoogleMAPでご飯屋さん探してバーで飲んで、前泊を堪能させて頂いた。(もちろん翌日ちゃんと仕事した。)
ご飯屋さんではカウンターのある店に入って、店主さんと話をしながら刺身や日本酒を楽しみ、バーでもまたマスターと話しながらウイスキーをいただいた。なかなか行けない地で、そこでしか「体験」できないことをできた。
仙台に行ったときは上司と同行で、上司の都合上翌朝早朝のフライトで戻らないと行けないからという理由で空港近くに泊まった。夜ご飯を一緒に済ませホテルで解散した瞬間に踵を返してホテルを出た。ホテル周辺は散歩しようにも何もなかったので、地元の電車に乗って知らない街の風景を眺めながら名取まで行って飲んだのも良い思い出だ。(仙台まで足を伸ばしたかったが時間的に断念した。)
といった具合に1人でせっかくの地で気を遣わず人知れずしたいことがあり、その中で出張先にお金をきちんと落としている。そうする中で息抜き・リフレッシュになっているし、出張としての「体験」を高めてくれているように感じている。
出張者を受け入れる側の話2
対 ベテラン勢
話を出張者を受け入れる側に戻そう。
恐らくだが、ベテラン勢に対しては懇親会を開くのが正だ。
これは支店の若手で考えた結論が「若手は自分たちでネットで行きたいところ見つけるが、ベテラン勢はそれをあまり得意とせず、現地のスタッフに任せたい節がある。」ということだ。
受け入れ側もベテラン勢、つまり役職者・社内に顔が効く人と食事を一緒して親交を深めれば仕事がやりやすくなる。逆に「あの支店では夜、放置された」なんて思われてヘソ曲げられると厄介だ。
対 若手
一方で若い方が出張に来られると飲み会を開くのが正なのかどうか分からないことがある。
支店、特にベテラン勢の目線で言えば、先ほどの内容と重複するが、
- ゲストとして来られてるからみんなで歓待しないと!
- 食事を共にして腹を割って話せる関係作り!
- この地の飯を食わせるのが支店のプライド!
- 出張終えて自部署に戻って「飯は1人だった」と言わせる訳にはいかない!
そんなことが言えるし、その気持ちも理解する。
反面、若い人の目線で言えば、
- おっさんたちと飲みに行っても気を遣って楽しめんやろ。
- インスタとかで見つけた洒落たとこに行きたいんちゃうん。
- そもそも飲み会多すぎるやろ。
そんなことを思ってるだろうと思う。
改めて「出張者を飲みに連れていくべきか」
もちろん来られる方の性格にもよるところが大きいことが大前提ではあるけど、「誰かが来る=飲み会するのが正義!」ってのは違うんじゃないか、と提議したい。
一緒に飲みに行きたければご飯行きましょうと言ってほしいし、懇親会不要の人は素直にそう言えてそれを尊重する環境であっても良いのではないかと思う。
腹の探りあいは嫌だ。
また、受け入れ側としては、今でも多くが「有志」となっているが、出欠の心理的自由度を高めて欲しいと思う。
この考えは「おもてなし」の心に欠けるのか、それとも脱「おせっかい」なのか。非常に悩ましく感じた。
ま、そんなこと言いながら、私は子育て世代という特権を盾に「ここぞ」と言う飲み会以外は断りまくっているのだが、多くの人に共通する葛藤だと思っている。