
妻が第3子を妊娠している。
本ッ当に申し訳ないのだが、日々忙殺され第1子の時と比べ母子手帳への記録やエコー写真の管理が大ッ変疎かになっていた。
そこで先週末「エコー写真と体重記録くらいまとめとくか」と妻にエコー写真を集めてもらった。
(数枚紛失していたのは内緒ね🤫)
当記事ではエコー写真に記載されたアレコレを数学好きな文系の私がムズカシイこと抜きにして説明します。

胎児の発育
長女の時は胎児発育曲線を超えたりしていたが、第3子は曲線内の中でやや大きめを推移しながら順調に育ってくれている。

マーカー付き線3本が3人のEFW = Estimated Fetal Weight =推定児体重。胎児の体重は Estimated、あくまで推定で±200gの誤差は生じうるようだ。
青色が第3子でまだ生まれていないためグラフは途中まで。直近の検診(34w)のエコー写真では2436g GA 35w4d 0.6SD と書かれていた。
そして、赤線が今回注目の胎児発育曲線だ。
胎児発育曲線とは
長女妊娠の際に初めてこのグラフに触れ「この中に収まってればOKなんやろ?」と漠然と思っていたが、こう説明があった。
胎児発育曲線は正期産(妊娠37週0日から41 週6日)で正常体重(新生児の基準値10から90バーセンタイルの間)で出生した沢山の児が子宮内にいたときに計測された推定児体重から、妊娠週数ごとの平均値をもとめ、それから作成されたものです。したがってこの胎児発育曲線の基準値内の推定体重であれば、正常体重での出生が期待できるということになります。
出典:日本産科婦人科学会周産期委員会『胎児計測と胎児発育曲線について』
https://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_hatsuiku_kyokusen.pdf
『新生児の基準値10から90バーセンタイルの間』は平たく言うと下から10%と上から10%を対象外にしていることを指す。これは両端の極端な数字が平均を歪めるのを避けるためと考えられます。
そしてそのグラフがこちら👇

出典:日本産科婦人科学会周産期委員会『胎児計測と胎児発育曲線について』
https://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_hatsuiku_kyokusen.pdf
平均線と上限(+2.0 SD)・下限(-2.0 SD)の線が引かれている。
この上下のラインの間に正常体重児の95.4%が入る。
統計学 ±2.0 SD の意味を学ぶ
では図に書かれている+ 2.0SD -2.0SD とは何なのか。
エコー写真のBPD(胎児の頭の大横径), AC(腹部周囲長), FL(大腿骨長)などでも測定値と〇〇SDと書かれている。
まずは身近な例で考えてみる。
平均値|中央値|標準偏差
20人に対して100点満点のテストをしたとしよう。
すると、成績が下図だった場合で
・平均値
・中央値
・標準偏差
をまずは見てみよう。

平均値(Average)
20人の合計点をデータ数の20で割った値。
説明いらずのTHE 平均だ。
中央値(Median)
小さい順に並べた点数の"ちょうど中央"にある点数。
上図の場合はデータが20個あって”ちょうど中央”が存在しないので下から10個目(78点)と下から11個目(80点)のデータの平均=79 が中央値となる。
中央値は上限(若しくは下限が)が青天井の時に見るとより現実に近いものとなる。
平均値と中央値
そのわかりやすい例が年収や資産額💰
世の富豪たちは現実離れした数字で平均を押し上げてしまうので平均値は現実より大きめの数字が出てしまう。
例えば年収300万円、400万円、500万円、600万円、2000万円の5人の平均は760万円となる。2000万円が平均を押し上げ、平均より上は2000万円の1人だけになってしまった。
一方中央値は3番目の500万と現実に近付いているのがわかる。
標準偏差(Standard Deviation)
次があまり身近ではない"標準偏差"だ。
これは "平均からのデータのばらつき具合" を指す。
少し語弊があるかも知れないが、「だいたいプラスマイナスこれくらいの間にみんな収まってるよ」って言うイメージの値だ。
*これには正規分布やら条件がありますがここでは割愛します。
上図では平均点77.7点±10.8点の間、つまり67点~88点の間にだいたい収まってるってことになる。
標準偏差の算出方法
具体的には下記のように計算されている。
(図が大きくなるのでC~Sは省略してるよ。)

*"c^2" は "cの2乗" を意味します。
*A〜T の d の平均を統計学では「分散」と呼びます。
*5^2 = 25 、 √25 = 5 の親子みたいな関係。
標準偏差から出した曲線が胎児発育曲線
では、その「だいたい」とは?
平均値 ± 標準偏差1つ分 の範囲に68%
そして、、、平均値 ± 標準偏差2つ分 の範囲には95%、
さらにさらに、、、平均値 ± 標準偏差3つ分 の範囲にデータの99.7%が計算上入る。
*繰り返しになりますが、これには正規分布やら条件があります。
± 標準偏差(SD) 2つ分、、、
± 2 SD、、、見覚えありますよね?
胎児発育曲線の上限/下限に書かれていた線だ。
つまり胎児発育曲線は膨大なデータを集めて
➡ 平均値と標準偏差を出して
➡ 平均値から標準偏差±2つ分のラインを描いたものになる。
「この中に収まってればOK」と言うよりは「正常体重児の体重のデータの約95%が入るライン」であり、逆を言えば正常体重児も約5%は曲線外にある、ということも言える。
第3子は34wで2436gだった。
グラフに落とし込むとその数値が大きめなのか小さめなのかが可視化されるが、標準偏差の意味を理解していれば "0.6SD" を見ただけで"やや大きめ"と判断できる。
ただ妊婦さんにも胎児にも個人差がありますので、担当の先生とよく相談してください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エコー写真にある略語の意味やグラフが示すことを理解していれば見方が少し変わるかなと思い記事にしてみました。
この記事を作成するにあたり母子手帳整理できたり、3人目のEFW重ねたグラフを作りながら「3人とも似たり寄ったりで、姉ちゃん兄ちゃんに似たパワフルな赤ちゃん生まれそうやな」と感じたり、覚悟改める所存です。笑
(おまけ)世の中統計だらけ
世の中は統計に溢れている。
ワイドショーや雑誌などの街角アンケートだってそう。
「その統計信ぴょう性ある?」って思うことありませんか?
- 何人に調査した?
- 調査対象に偏りはない?
- 比較対象は同じ条件?などなど…
ムズカシイこと "ある程度" 抜きにしてマンガで読めるこの本📖面白いです!
この記事読んで少しでも楽しく感じたら是非読んでみてください!
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