海や空には巨大な乗り物が行き交うダイナミクスな世界がある。
前職では国境を跨ぐ物流の仕事をしていた。
巨大な貨物、それを運ぶ巨大な船や飛行機を間近で見る機会に恵まれた時はワクワクした。
フェリー帰省や自動運転バスと乗り物の話題が続いた最後に、スケールが大きすぎる乗り物に関する話をしたい。
世界を動き回り、世界を支える乗り物に興味を持ってもらったり、船や飛行機を見たときにドヤれる小ネタとして読んでもらえたら幸いだ。
海🚢
世界最大級のコンテナ船
アメリカ ロサンゼルスで勤務していた際、フランスCMA CGM社のコンテナ船 "CMA CGM BENJAMIN FRANKLIN" の寄港記念パーティーに参加させてもらった。
この船の全長はなんと399.2m、幅54mもある世界最大級のコンテナ船である。
全長は東京タワー(333m)を横に倒したものよりデカい🗼
幅は50m走の距離くらいだ💨
この船が積んでいるのはコンテナと呼ばれる箱だ。
コンテナには日用品・工業製品・食品など様々な輸出入貨物が積まれている。
コンテナには主に短いもの(20フィート≒6m)と長いもの(40フィート≒12m)の2種類があり(厳密に細分すると色んなコンテナがあるが割愛)、この船では短い箱だと18,000個積むことができる。
日本の港湾事情の最新情報は追えなかったが、船が大きすぎると色々と問題があり、少なくとも2025年6月現在、世界最大のコンテナ船は日本の港に寄港できないことは間違いなく、少し寂しくもある。
巨大クルーズ船
同じ船仲間のクルーズ船も巨大なものがある。
ロイヤル・カリビアン・クルーズが最近造船した"Icon of the Seas"は全長365m 幅64.9m 乗客定員 全室2名利用の場合5,610人、最大7,600人と言う圧巻の規模を持つ船だ。船に7000人乗るってもはや意味がよくわからない。街が1つ浮いているようなものだ。
No one does it like we do. 🏆 Icon of the Seas was named one of @TIME 's 2024 World’s Greatest Places for revolutionizing vacations – and doing it at sea. Tap the link to find out why. 🔗 https://t.co/fFWTo99ElG pic.twitter.com/VjwPcCXbwx
— Royal Caribbean (@RoyalCaribbean) 2024年7月26日
私が生で見た1番大きなクルーズ船は"MSC SPLEDIDA"で全長333mだ。遠目に見るともはや横長のビルと勘違いしそうである。もちろん乗れるほどお金はないので、遠目から見ただけだが。
ロサンゼルス港+ロングビーチ港の圧巻の規模
"CMA CGM BENJAMIN FRANKLIN"のセレモニーが開かれたロサンゼルス港、そしてお隣のロングビーチ港、この2港が、太平洋や中南米西海岸からアメリカ西海岸への玄関口となる。その規模は日本の港とケタ違いで、この2港を足した取扱量だけで東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・博多港を足した取扱量を上回るのだから驚きである。
日本発着の輸出入形態
「船で運べないものはない」と考えても良いくらい、想像しうるものは大体船で運べる。
ゆえに輸出入の重量ベースでは船が99%以上、金額ベースでは船が70%以上を占める。
自動車や石炭・石油・LNG(液化天然ガス)などの資源、コンテナに入らないような重厚長大品は違った船で輸送されるが、コンテナに入るモノは大概コンテナで運ばれる。規格化されたコンテナで大量輸送できる分、運賃が他の手段に比べて安いためだ。
空🛫
飛行機による輸出入
世の中には旅客は運ばず貨物のみを運ぶ航空会社が存在する。
貨物専用機なので窓がない。
金額ベースで飛行機の割合が上がるのは、半導体・電子部品や医薬品などの高付加価値かつ高温多湿・振動に弱いモノや高い運賃を払ってでも早く届けたいモノの輸送に使われるためだ。生鮮品などの輸送にも使用される。
一度に運べる量が限られるし、その速達性(船だと日本→アメリカは直行便でも2週間、欧州までは1ヶ月以上掛かる)から船での輸送に比べると運賃も高額となる。
同じくロサンゼルスで勤務していた際に、超急ぎ案件でロサンゼルスから日本へ一気に数10t輸送した。その際の航空運賃は商品そのものの価格を大きく上回るほど高額なもので、あまりの額に請求書を作る手がワナワナ震えた。
ロサンゼルス国際空港
ロサンゼルス国際空港もまたアメリカ西海岸の玄関口として多数の航空会社が寄港している。
旅客ターミナルは9つもあり、国際線の多くがトム・ブラッドレー国際ターミナルが使用される。ちなみにターミナル名は建設当時のロサンゼルス市長に由来するように、アメリカでは空港名に偉人の名前が付くことが多い。
多種多様な旅客機
そんなトム・ブラッドレーから帰国する際、ターミナルを散歩してみると色んな飛行機を見れた。
A380(エアバス社製の2階建て飛行機│ANAのハワイ線フライングホヌで520席)が普通にいたり、フィジー航空などなかなか見れない機体がたくさんいてとても楽しかった。
旅客機は貨物を運ぶ。
乗客が乗っているのは上半分、下半分は貨物室もなっていて旅客預入荷物以外にも輸出入貨物が多く積載されている。
陸🚃
船・飛行機と見てきて最後は陸になる。
「巨大」とは離れるが、電車も珍しいものが好きだ。
私は九州に住んでいて、博多駅に行くと各方面に向かう特急列車や観光列車がいてとても面白い。
観光列車の"ななつ星in九州"を見ると、その重厚感や、ディーゼル車両が牽引する姿にワクワクする。
たまたまSLに出くわしたときには胸が躍る気分だった。




右:ピクミンラッピングの特急”ソニック"
そして、先週末はのりもの図鑑に載っていた筑豊電鉄に子どもたちと乗ってきた。普段乗らない電車から見える普段見ない車窓からの景色には、子ども以上にワクワクするのである。
おわりに
この記事を通じて乗り物が我々の移動手段としてだけでなく、衣食住を、経済そのものを支えていることを感じてもらえたら嬉しい。
大きな乗り物や珍しい乗り物を見ていると、その大きさはさることながら設計した人・作った人・運行に携わる人のロマンも載せているようで楽しい。
子どもたちにはできるだけ色んなものを見たり知ったり体験したりして欲しいと思っている。
毎週末何して過ごすかイベント立案に明け暮れるが、珍しい乗り物に見れる機会・乗れる機会には積極的にチャレンジしたい。
みなさんも乗り物が持つダイナミクスを感じてみてはいかがだろうか。
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